「このみ、今日放課後遊べない?」



文化祭から一週間後の今日



私が姫野の腕から抜け出してのんちゃんのところへ行くと、眉毛を下げながらのんちゃんがそう聞いてきた。



私は山下くんをからかっている昂を見て微笑んだ。




…ほんとに子供なんだから、二人とも。



言い合いをしていても楽しそうに見える二人。



たまには昂も山下くんと帰りたいよね!



私は口の端をあげて笑った。



昂のため、と思うことにして自分に都合のいいように行動する私ってダメ人間。



そう思いため息をつきかけて慌てて飲み込む。




昂との幸せが逃げたら嫌だもん。




昂に放課後のことを話すと快く承諾してくれた。




ただ、のんちゃんの『きっっっっっも』には傷ついたみたいだけど…




「私も本当は山下くんに名前で呼んでほしいし、帰りも心配されたい」







放課後の通学路でのんちゃんは私の隣で俯きながらそう言った。