みんなで並んでいるときに、私の隣を陣取った昂が私の手を握った。



「川瀬って俺のこと、好きなんだ?」


「川瀬って呼ぶなら姫野って呼ぶから。」




「あー、このみって俺のこと好きなんだな」



「なんでよ」



なぜか顔をあわせず正面を見ながら話す私たち。



「べたべたする俺を冷たくあしらうから」



「なんでそれが好きになるのよ」



図星だけど、顔に出さないように自然に返す。



すると昂は、嬉しそうに微笑んで



「俺の一途具合なめんなっつったろ。このみのことならなんでもわかるんだよ」



じわじわ顔が赤くなる。



だって、なんだかずーっと好きだったって言われてる気がして



「ちょっとそこのバカップル~?撮りますよ?」



隣のクラスから撮影者として連れてきた子にそう言われてしまった。