隣の席の姫野くん。



目を泳がせる笹野に、橋田はため息をついた。



『あんたってバカね。あんたがそんなんだから誰も本音出せないのよ』



うわ…きっつ!



『あんた、自分でなにか努力したわけ?このみ傷つける前にやるべきことあったんじゃない?』



さすが橋田だな…


腕を組むいつもの橋田スタイルで笹野を睨む。



俺ですら怖い。




『はい!みなさん!』




橋田に恐怖心を覚えていると、なぜかマイク越しの川瀬の声。



…可愛いよな。



じゃなくて!


腕の中の川瀬をみると、俺のマイクを使って話していた。




「おい!川瀬!」



『私たちの私情をたくさん聞かせちゃってごめんなさい。今まで聞いての通り、私はこの何日間か笹野さんに嫌がらせされてました。』





おいおいおい!



なに言ってんだよ川瀬!


俺の話無視すんな!





川瀬からマイクを取ろうとすると、すっげー睨まれた。



話をきけ、そんな感じで。