「みなさん!盛り上がってますかーっ!」
「キャーーーーーー!」
どこのアイドルのコンサートですか?ってくらい盛り上がってる体育館。
私は左隣にいる笹野さんと、右隣にいるのんちゃんの間に挟まれてそれどころじゃなかった。
「ねぇ、笹野さん?この子になんかした?」
のんちゃんが前を見たままそう言った。
笹野さんは一瞬のんちゃんをちらっとみた。
「いえ、なにも?」
いつもの、笹野さんの笑顔でそう答えた。
顔は前を見たままだったけど。
「そっか。でも、この子にはなにもしないでね?なにかしたら…わかってるわよね?」
「えぇもちろん。充分わかってるわ」
私を間に挟んで、そんな会話をする二人。
文化祭に集中出来るわけがない

