隣の席の姫野くん。





ピンポンパンポン



『9時になりました。校内発表スタートです。本日は模擬店の販売は一切なし!しかし、明日着る衣装で参加してください。では、みなさん。教室から体育館へ移動おねがいします!』



文化祭実行委員会委員長の放送のあと、みんな一斉に教室から走り出した。




「このみ行くわよ?」




のんちゃんは私の手を握った。



大丈夫って言いたいんだろうな。



私の手を握る力は強くて、暖かかった





教室から出ると、山下くんが廊下の壁にもたれ掛かっていた。



明日着る執事服を着て、ズボンのポケットに手を入れる姿は絵になっていた。





「行くぞ」




山下くんは珍しく少し微笑んで、私たちの前を歩いた。




私って温かい人たちに囲まれてるな








本人たちには言わないけどね