隣の席の姫野くん。




私が返事に悩んでいると




『わぁーった。んじゃ、答えなくていいから今からする俺の質問にイエス、ノーで答えること。』



姫野が楽しそうになにかをいい始めた。




『まずひとつめ!』



私は返事してないのに勝手に始めた。



拒否権はないってことですね…




『今、泣いている』




姫野の質問を聞いてはっとした。



私、泣いてない。




さっきまであんなに悲しくて、涙が止まらなかったのに?



私がごちゃごちゃ考えていると、姫野が答えを催促してきたから ノー と言った。




『はい、次ね。俺と話始めてから一度でも、クラスのことを思い出して泣きたくなった』



あれ?私、泣きたいとすら思わなかった。



しかも、思い出してすらない?



「ノー!」



私が嬉しくなってそう言うと、姫野は笑った。



「んじゃ、最後な?明日、俺の劇がおわったら一緒に校内回るぞ。これでも明日嫌か?」