隣の席の姫野くん。





[大丈夫だよ]



それだけ送った。



泣いてたの否定してないから嘘はついてない!



そう自分に言い聞かせていると、メッセージがきた。



[はい、大丈夫じゃないのな。]



え…


意味わかんない。



私、大丈夫って言ったじゃん



姫野馬鹿なの?


日本語も読めなくなっちゃった?



[え?日本語も読めなくなっちゃった?私大丈夫って言ったんだけど]




送ってからちょっと後悔。



私、いっつも可愛げないな。


私が可愛げあったら…うん、きもいな


「うわっ!」



そんなことを考えていると、手の中にあるケータイが震えた。




画面には《姫野 昂》と表示されてる。



出たいような、出たくないような…



でも出なかったらあとあと怖いな。




私はドキドキしてることに気付かないふりをして、咳払いなんかしちゃってから応答に触れた。