隣の席の姫野くん。





しばらくたっても通知はその一回だけ。



ってことは、この前とは違う…


そう思って私は意を決してメッセージをみた。




「…っ!」



それをみた瞬間、涙が溢れて止まらなかった。





[泣いてねぇ?大丈夫?]




それは姫野からだった。



今まで、人に泣いてることをバレたことなんてなかった。



小さいとき、仲良しだった子が引っ越しきたときも、


小学生の頃、クラスでかってた鶏が死んだときも、


中学生のとき、最後の大会で負けたときも、




私は今日みたいに隠れて泣いて、誰にもばれないようにして次の日笑った。



そしたら、いつの間にか



『このみって冷たいよね』



そう言われるようになって、


私って冷たいんだ


って思った。




そう思ったら余計に泣けなくなって。



実は物心ついてから誰かの前で泣いたのは姫野が初めて。




姫野の前では不思議と泣けたんだよね…