『自分が死んでから渡してくれ、と…』



『何でお前が持っている?』



『……山南さんが脱走する前、私は山南さんに相談された。自分は新選組に必要なのかと、刀が握れない自分はここにいなくてもいいのではないのかと、な。』



『………山南さん。』




『あとはこれに書いてあるんじゃないか?泣き顔を見られたくないだろう。私はもう行く。……確かに渡したぞ。』




そして私は土方に背を向けて去った。




これが新選組の運命を変えるきっかけの始まりだった。