近くで聞いていた私は 部屋を出た山南さんの背中を静かに見つめていた。 そろそろか… 『山崎…』 スタッ 『何や?』 『山南さんを見張っててくれ。伊東に目をつけられている今、私は監察が出来ない。お願い出来るか?』 『……了解した。』 『すまないな、山崎。』 『あぁ。』 そう言って山崎はまた天井に戻った。 それを見届けて女中の仕事をした。