私が目に付けたのは 黒色に桃色で桜が描かれている簪。 『……欲しいの?これ。』 『え?あ…いや、別にいらない。ただ綺麗だと思っただけだ。』 『……全く、ホントに素直じゃないんだから…。』 『そろそろ帰るぞ。』 『はいはい。でもちょっと外で待ってて。』 『は?……分かった。』 私は不思議に思いながら 外に出た。