「あの...さ。」 陸は、表情を変えずに応える。 「何?」 「明日、頑張ってね。」 「当たり前じゃん。」 「絶対、1位になってよ! 学生最後の体育祭なんだし、負けたくないじゃん?」 「俺が誰かより遅いと思うか?」 「あ、何それ-! どんだけ自己チューなのよ。」 「え。だって事実だろ?」 私たちは何もなかったかのように話している。 周りから見ればそんな感じ。 けど、私たちはお互い分かってる。 お互い、すごい緊張してる。 それに、言葉がぎこちない。 。