「沙月ちゃん、オーストラリアはどうだった?」

「みどりちゃん、それがね。」私は同期の一人にしゃべくった。

ツアー中に元彼と偶然会ったことや殺人事件のことを。

「それで寄りを戻したの?」

「うん、まぁ。」

「沙月ちゃんがそれで良ければいいけど、気をつけなよ。

その彼、もてまくり男じゃないの?

きっと女が切れたことないかもよ。私の勘はよく当たるんだから。」

「ありがと、心配してくれて。」

「私が思うに、沙月ちゃんって何て言うか弄ばれるタイプだと思うのよ。

もっと自己主張しなくちゃダメよ、私みたいに。」

私はみどりちゃんの言ったことをよく覚えておこうと思った。