恋するほど   熱くなる

「美莉、ロンドンで待っている。二月はダンサーが決定される。君もその場にいてほしい。」

「はい。」

「荒木、スケジュールはハモンドから渡されたものが正式だ。彼女をベストな状態で頼むよ。」

「わかりました。」

荒木さんと私は帰国した。

バリアーの四枚目のアルバム『ラブ・バリアー』が三月に発表されることになった。

ニュージーランドで書いた私の詩は

卓巳の曲に流れ彼が完璧に歌った。

私はアランの日本公演を五月に控え

二月にロンドンへ入った。

三ヶ月のレッスンが待っていた。

その間、詩も書いた。

公演は日本国内六ヶ所の予定だった。

荒木さんは東京とロンドンを行ったり来たりした。

バリアーは順調に売り上げを伸ばし

須山さんは夏のツアーに向けてメンバーを盛り上げていた。

私は卓巳とゆっくり過ごせる時間がないことを噛みしめる暇さえなかった。