恋するほど   熱くなる

私はアランのリードが細かく

彼が私を動かしベストの位置へ導くことに全神経を使っていることを感じた。

彼の熱意に私も細心の注意を払った。

彼の全てに応えたかった。

この短い時間の中でさえ

彼は私の持つまだ見えないものを引き出せそうになったことに驚き

私に満足した様子だった。

アランと私は汗を流しながら

お互いに踊りの中で求め合った。

相手の奥にあるエネルギーを引き付け合って

内面に隠れた技を探り合った。

私は息が荒かった。

アランも荒い息を静めながら言った。

「美莉、君を選びたい。契約を交すよう荒木を説得する。」

私はボトルの水を飲みながらタオルで汗を拭った。

アランは二人のエージェントに向き合った。

「荒木、ハモンドが詳細を説明するからランチの後オフィスへ来てもらえないか?美莉を私のパートナーに選びたい。」

「わかりました。詳細を聞きます。」

四人でランチを食べた。

ニュージーランドへ来て良かった

出会いとは不思議だと私は思った。