「美莉、君の詩を読んだよ。ハードすぎてさすがの僕でも持って行き場がない。」

「そうですか?でもいいんです。今の私は次々にハードなフレーズが頭に浮かんできて、それを全部吐き出さないとどうにかなっちゃいそうなんです。いつまでも溜め込んでいるとヘビィな気分になってしまうんです。」

「美莉ちゃん、私にも読ませてくれないかしら?」

と事務の香織さんに声をかけられた。

「へぇ、すごい内容ね。弟の聡が喜びそうな詩だわ。彼は仲間と組んでバンドをやっているからヘビィな詩に埋もれているのよ。」

「なるほど、バンドか。」

荒木さんはネットで検索して

今流行りのバンドをリストアップした。

「ふん、アイツか。まあいいだろ。これはビジネスだからな。」

「荒木さん、何か言いました?」

「いや、その方面に知り合いがいるから当たってみるよ。君はそのヘビィな気分に埋もれないように。」

「荒木さん、連載はすぐに止められるのかしら?」

「そっちは全く問題ない。問題なのはこっちのヘビィな方だ。」

「・・・・・」

私は彼の言葉の意味がよくわからなかった。