「君が僕のことで思い詰める必要はない。」

「それだけ?私に答えてくれるのはそれだけですか?」

「美莉、もうそれ以上言うんじゃない。僕はモデルとしての仕事を君にさせる以外に、将来ライターとして君に羽ばたいてもらいたいと思っている。その足固めもしておきたいんだ。今この時点からね。僕は君に約束した。モデルとライターの両方になれると。僕の努力は必ず最後に報われるだろう。君のためだけでなく、僕は僕自身のために生きているんだ。そのためには今何をやれるかだ。やれることは全てやっていきたい。それは全て自分のためでもある。どお?賢い君なら僕の言ったことがわかるはずだ。」

「荒木さんは私を納得させるのが上手ですね。」

「君とは長い付き合いになりそうだからね。僕も覚悟を決めているよ。」

「でもまだ疑問に思うことが一つあります。」

「君の頭の中は一体どうなっているんだ。普通の女が自分のこと以外に考えるなんてあり得ないのに。で、あと一つって何?」

「荒木さんはどうして休みを取らないのかと思って、なぜですか?」

「単純明快さ。僕が休みを取っても頭の中では仕事のことを考えるから休みでなくなる。だからわざわざ休みを取らないだけのことだ。僕が休んでも意味ないんだ。これで君の疑問の全てに答えただろ?」

「そうですね。」