荒木さんは必ず私の睡眠時間を確保してくれた。

毎日六時間は眠れるようにスケジュールを調整した。

でも彼自身は一体何時間の睡眠を取っているのかしら?

考えただけで不安になった。

ゾッとした。

私には毎月一回、たった一日だけれどオフの日があった。

ある日偶然彼のシステム手帳をこっそり見れる機会があった。

彼のデスクに向かって座り

手帳のページをそっと開いた。

びっしりと書き込まれたカレンダーと

ページいっぱいに埋め尽くされた彼の文字を見て

私は吐きそうになった。

私はすぐにパタンと手帳を閉じて席を立った。

化粧室へ行き

鏡に映った自分を見つめながら泣いた。

涙が止まらなかった。

どうしてこんなに苦しいのかわからなかった。

今の自分の気持ちがよくわからなかった。