恋するほど   熱くなる

夜の社内パーティーは小規模だと思っていた。

私は荒木さんと会場へ早めに向かった。

ところが一流ホテルの〇〇の間を貸し切っていて

すごくごった返していた。

私のほかに十人以上の候補者がいてびっくりした。

皆それぞれマネージャーがついていた。

荒木さんは私のマネージャーなのかと今さらながら思った。

彼は少しもたじろぐことなく

いろいろな人に私を紹介して回った。

私はその全ての人達と一人一人握手をした。

皆が私をジロジロ見た。

「荒木さん、私どこか変ですか?皆がジロジロ見るんですけど。」

「どこも変じゃないよ。君は普段の自分でいればいいんだ。下手に演じる必要はない。そのままの美莉でいいんだ。わかった?」

「はい。」