恋するほど   熱くなる

「何かしら?」

「美莉、君の熱くなった身体を私が今静めてあげる。」

「アラン、何を言っているの?私、そんなことできないわ。」

「これはギブ・アンド・テイクだと言っただろ?今だけだ。これからはない。」

「アラン、本気で言っているの?」

「今だけ、今夜一度だけだ。美莉の黒い瞳に溺れたい。」

「ダメよ。アラン。」

「本当にダメ?今の美莉の身体、彼が欲しいんじゃないのか?私が彼の代わりになる。私に抱かれて彼を想ってくれていい。」

「アラン、私を誘うの?私を抱いたら公演がメチャクチャになるわ。」

「いや、ならない。完璧だ。君と私なら必ず完璧に幕を閉じられる。」

彼は私の唇を舌でふさいで私を黙らせた。

アランは私をベッドへ運んで尚もキスをした。

「今夜だけだ、美莉。」

「アラン、私が欲しいのはあなたじゃないのに、今の私にはあなたを拒めないわ。」

「いいんだ、美莉。それでいい。君の黒い瞳に見つめられたい。今だけだ。」

「今だけ私をさらって。彼でなくあなたの想いの中で私を溶かしてみて。」

「美莉、私の腕の中で私を想ってくれるのか?」

「あなたの想いに今なら、今だけなら応えてあげられる。本当よ、アラン。」

「ありがとう。その言葉に安心できたよ。私が欲しいだけ君を何度も求めたい。」

アランは夜明けまで私を離さなかった。

私の中を狂わせて私を愛した。

彼の気の済むまで。