彼氏契約書

今日、本当に蒼空は仕事を休んだ。

それを教えてくれたのは、薫子だった。

…朝、2人を見かけたことを思いだす。


思い出しただけで、胸が張り裂けそうだった。

蒼空は、私じゃなくて、薫子を選んだんだろうか?


私はもう、必要とすらされないのだろうか?

悶々としながら一日を過ごす。

長い長い一日を終え、

帰り支度をしていると、薫子が現れた。


「専務少し、よろしいですか?」

「・・・ん?どうしたの?」

薫子の問いかけに答える。



「須藤さんの事なんですけど」

「・・・・」


「専務は、須藤さんの事をどう思っているんですか?」

「・・・それは」


「何とも思ってらっしゃらないなら、須藤さんの事、

本気になってもいいですか?」

「?!!」