そして迎えた午後。

蒼空を一人会社に残し、一人で会社に向かった。

「お待ちしてました美緒専務」

そう言って綺麗な笑顔を浮かべたのは、美麗社長。


「約束の時間には少し、早すぎましたが、大丈夫でしょうか?」

事務的な会話を淡々とこなしていく。


「えぇ、大丈夫ですよ。午後からは大した仕事入れておりませんでしたから。

…それより、須藤君は?」


「…会社で仕事をしておりますが」

当たり障りのない言葉を放つ。

…本当は、少しでも、美麗社長の傍に、蒼空を置いておきたくなかったから

だから、連れてこなかった。


それともう一つ・・・。


「…そうですか。ところで…出した条件の答えが聞きたいんですが?」

「・・・・」

やはり美麗社長の方から切り出してきたか、

そう思うと、思わず息を呑みこんだ。


「答えが決まったから、今ここに一人で来たんでしょう?」


「…はい、答えは出ました」