「えっ」


突然聞こえたか細い聲に、俺は反射的に顔をあげた。


聲は森の奥から聞こえた気がした。


タスケテ……?

誰か、この奥にいるのか?


「北見?どうした」

じっと森の奥を見つめてると、水谷が首をかしげる。


こいつには聞こえなかったのか?


俺は困惑しながら「…なんでもない」と答えた。