俺は玄関先に佇み、なるべく赤い液体を直視しないように丸窓の向こうに目線を向ける。


視界のすみで凪原の姿を確認すると、彼女は神棚の辺りをうろついていた。

なにかを探してるようにも見える……が、荒らしているようにも見える。


「…なにしてんの」

「んー…あの桜探してるの。ほら、またあの変な聲聞けるかもしれないじゃない?」