“……ユルサナイ…コノムラカラハ……ダサナイ…”



消え入るような聲で呟き、ゆらりと斧女の体が煙のように消える。


同時に、惨殺された男女もスゥ…と地面に吸い込まれるように消え、血だまりと黒い影だけを残す。



「あ、……」

耳鳴りも寒気も消え、俺は安堵の息を吐いた。


すると間髪入れず凪原が立ち上がり、血だまりの方へ歩いてく。