ハッとするような鋭い聲に、俺は反射的に背後、神棚のある方向を振り向いた。



「なっ……」


人がいた。


最初に殺されたあの男と同じボロボロの服を着た男女が、神棚の方でなにか手を動かしてる。


まだ寒気は収まらない。

それに、ついさっきまで人の気配なんてしなかった。
最初にここに来たときだって、人どころか生き物の気配さえ。