俺たちは近くの民家を調べまくったが、なにも手がかりになりそうなものはなく、人も存在しない。


斧女から逃げ込んだ民家に再び戻り、俺は古ぼけた畳に腰を下ろした。


「手詰まりだなぁ…」


「手詰まりだねぇ…」


バケツの取っ手を腕に通してる凪原は、台所らしきところに行くと瓶の蓋を開ける。

「あ、…北見、この壺水が入ってる」

「あ?……瓶だろ」

「?壺でしょ」

「いや壺は、…なんかこう、スリムな感じ」


手で壺の形を再現する。

たしか壺は口の部分がもっと狭かったような…。