「ッ!」


頭が痛くなるほどのノイズが走ったあと、聲が止んだ。



「な…なんだ、今の……」


誰に問うでもなく呟き、俺はもう一度花びらに触れた。

しかし冷たく柔い感触が伝わるだけでなにも聞こえてこない。


……あの聲。

聞き覚えがある。


森に入る前、聴こえた聲だ。

“タスケテ”って。