「どうって……何か考えるのは北見の役割でしょ?」 「いつ決まったんだよその分担。なら、お前はなんだよ」 「食う専門と、動く!」 「……なに食うんだよ」 もし仮にこの集落で何か食べ物があっても、俺なら絶対口にしない。 昔水谷に見せられたホラー映画で、『缶詰を食べてたら中身がウジ虫だらけになった』というシーンで、俺は一回吐いたことがある。 以来、缶詰類は苦手になった。