「で、はる」 「北見だ」 「北見。ここはどこかな?」 凪原はくるくると指でバケツを回しながらマイペースに聞いてきた。 どこかな…と聞かれましても。 正直、俺が知るかと答えたいが、俺はたぶんこの村の名前を知ってる。 水谷が言っていた、この村の名前。 「……明神村」