そこで俺はハッと気づいた。


目の前にいる黒のショートヘアに勝ち気そうな、意志の強いつり目。
手にはバケツ。
同じ学校指定の藍色が基調のジャージを着ている。


…………誰だこいつ。

「……えっと…君、名前は?」


ここ3ヶ月でだいたいの同級生の名前と顔は一致させた。

こいつは見たことないから、たぶん他のクラスのやつだろう。