「え?…な、なんだったんだ、今の」


「………ふん、改めてお礼を、みたいなことでしょ」


凪原は偉そうに鼻を鳴らした。


そうか、お礼…。

「……俺たち、なんかしたか?」

「………………………北見は相変わらずボケボケだね」

「はあ!?なんだよボケボケって!」


現に俺たちは村人が殺されてくのをただ見ていただけだ。

足を踏み出したのも、幸助さんのお陰だ。

俺自身、なにかしただろうか。