あの頃となんにも変わらない笑顔で、凪原は告げる。


「あれは霞が望んだことだし、北見はそれを叶えただけだよ。それに、ああすることで霞は正気を取り戻したんだから、結果オーライだよ。ね?」


「………………ああ、そうだな」


霞はあのとき、ありがとうと言った。

あの言葉と、凪原の励ましだけで癒える傷とは思えないがきっと救われるときが来るだろう。


「桜、キレイだね」

「ああ」