そのあと、凪原の肩の治療を最優先にして慌てて合宿所にもどった。


どうやら俺たちがあの村に迷い混んだときの時間は現実では10分ほどで、帰ってきたら相変わらずの調子で水谷が絡んでくる。

いつもなら軽くかわすのに、なぜかこのときだけはこのアホ面に安心した。


帰ってきたんだな、て。


そして女子と一緒に森から帰ってきたせいで、しかもその女子が怪我してるせいで、教師や友人にめちゃくちゃ問いただされた。

けれど凪原の「私と北見は一緒に死線をくぐりぬけてきたんだ」という一言に、何を勘違いしたのかみんな「がんばったな」と肩を叩いてくるのが本当にやめてほしい。