階段を下りてすぐに、左に扉がある。 他に廊下や扉などは見当たらず、なんの変凸もない扉なのになぜか気味が悪く感じた。 その扉の前に、凪原はいた。 「………凪原?」 呼び掛けると、凪原はゆっくり振り向く。 その様子がどうも今まで見てきた彼女と合わなくて、思わず眉をひそめる。 「…また腹が減ったのか?」 「違う。なんか…変。気持ち悪い、ぞわぞわする」 「野生の勘か?いっつ!?」 言うが早いか、凪原に足の脛を蹴られた。