一歩踏み込むと、背後にあった扉がギィ…という音を立てて閉まった。 閉まる直前、あの男の人が口元に笑みを浮かべていたのが見えた。 「あの半透明は来ないのかな」 「半透明って…。さあな、でもここから先は道案内なしってことだな」 屋根のないギシギシと鳴る橋を渡り、鍵が切断された扉を開ける。