“幸助さんを羅刹にしようとした彼らの目論見は、結果的に失敗に終わった。”



“羅刹になるには本人の意思が必要。”

“幸助さんを殺してしまったら、それはただの魂のない器。”



“広間に集まり、今後どうするべきかと相談し合う彼らの怯えた姿は、ひどく滑稽だ。”


“そもそも羅刹は、死者の集合体だと幸助さんに聞いたことがある。”

“なるほど、あの聲は、先代の羅刹となった人たちなんだ。”

 

“そんなのどうでもいい。”

“あの人は帰ってこない。”

“お前らが殺した。”


“もう約束は果たせない。”