“『幸助さんらしいです』” “そう微笑むと、彼は照れたように頭をかいた。” “『そうだ。霞、君はこの村の外へ行ったことがあるかい?』” “私は少し首をかしげてから、いいえと首を左右に振った。” “私は余所者だが、もう一年前のことなので故郷のことなどうろ覚えだ。” “この村の外に出ることすら私には怖くて、幸助さんがいるとき以外は部屋にいるか家のお手伝いをしてる。” “私が首を振ると幸助さんは嬉しそうに言った。”