“『美しいだろう霞。この桜は黄泉桜といって、一年中咲き誇るんだ』”


“一年中…と私はおうむ返しした。”

“桜は散りざまが一番美しいと思っていたが、永遠に続く命というのも美しいと思う。”


“そして同時に悲しいとも思った。”


“『幸助さんは桜が好きなんですか?』”

“『好きだよ。綺麗じゃないか。特に冬の桜はとても綺麗だ。雪景色のなか、一ヶ所だけ桃色の輝きがある冬の桜というのは、すばらしいよ』”