”『お前は、贄となるために生かしてきたのだ』“ ”女性は神棚の奥から亀の形をした小さな入れ物を私の目の前に持ってきた。“ ”その入れ物から、何かこの世のものならぬ気配がして私は思わず後ずさる。“ ”『さぁ、自らをこれに捧げよ。羅刹様に、願いを乞うのだ。この村を救え』“ ”突然の勧告に、私はしばし思考が止まってしまった。“ ”命を捧げる?羅刹様?“