桜は相変わらず満開に咲いていたが、枝にはなにもぶら下がってなかった。

そう、何も。


辺りを見回すとあの女子生徒もいない。


「……どうなって」


幻?
いや違う。確かにあった。
……死体が。



ふと空を見上げるともう日が暮れていた。

いくら山奥だからといっても、俺がこの森に入ったのは3時か4時くらいだったはず。


こんなに早く日が暮れるだろうか。