いつもなら母親が迎えに来てくれるのだが、今日は仕事が忙しくて来れないようだ。

うちは共働きだから、こういうときも少なくない。


陽気な性格の弟は、俺の少し前を鼻唄まじりに傘をくるくる回しながら歩いてる。


たまに水しぶきが飛んできて、やめろよと呆れても弟はまったく反省の色を見せずごめんごめんと笑う。


階段の表面は雨で濡れて滑りやすくなっていた。