「なんだ?桜か?」


「ううん、遺品」


「…は?」


これ、と指差された方向を見ると茶色の表紙の手帳が落ちていた。

あの男が最期まで書き記していたものだ。


俺はそれを拾い上げ、凪原と共に最初の頁を見る。


最初の数頁には、この村に来てしまった経緯と混乱。

それが来たばかりの俺たちと酷似していて、少しばかり胸が痛んだ。