凪原はある墓の前を指差した。


他のお墓より少し立派なお墓の前に、あの少女がうずくまっている。


近づいてみたが、こちらに気づく様子もない。


泣いてるのだろうか。

ときどきひっくと肩を震わせ、両手で顔を覆っていた。