凪原は突然うめき声をあげてその場にうずくまってしまった。


「え…ど、どうした?!」


慌てて顔色を伺おうとすると、凪原はキッと俺を見上げて睨んでくる。

「………どうもこうも…」


凪原は疲れきったようにぐったりと首を落とした。

背中からいつもの能天気が伝わらなくて俺はそっか…とどこか納得した。


いくら凪原が鈍くても、こんなわけのわからない状況が立て続けに起こったらさすがに混乱するだろう。


よかった、こいつにも普通の感性というものが備わっていたのか。