すると、私を抱きしめていた刹那が声を出した。




「それの何がいけませんか?」




やけに真剣な顔をした刹那が慧君や翠君を見ていた。




「何がいけないって・・・君は恥ずかしくないの?」

「恥ずかしくなんてありませんよ。
行動できないでうじうじしている貴方たちよりもはるかに恥ずかしくなんてありません。」




ニコッと笑っているはずなのに刹那の笑顔は何故か黒かった。


あれ?

久しぶりに話すから変わっちゃった?



私も慧君みたいに眼科に行ったほうがいいかな・・・と考えていたら今度は翠君が話し出した。




「別にうじうじなんてしてないよ。
きちんと今、話しているんだから。
君こそ話すことができずに卒業まできちゃったんでしょ?」

「確かに話すことはできませんでしたけど・・・ちゃんと後ろから姉さんのことは見守ってましたよ。」

「お前もストーカーかよ!」

「慧、黙って。君もストーカーなんだ。
兄弟そろって馬鹿なんだね。」

「その馬鹿を好きになったのは貴方たちでしょう?」




私を置いてけぼりにしてコソコソと話をしだした三人を不安そうに見る私。


すると、翠君と慧君と目が合った。