この愛に抱かれて

直樹は運転席に座ったまま身動きがとれずにいた。


車体に足を挟まれていたのだ。


助手席の博史は無事だった。


身体をシートに打ち付けてはいたが意識はしっかりしていた。


「おい、直樹大丈夫か?」

博史が声をかけた。


直樹はドアに頭を打っていたために意識がもうろうとしていた。