俺ははもう泣かなかった。 このページだけ所々字が滲んでるのはきっと真由が泣いたから。 俺の笑顔が誰かを幸せにすることが出来るならもう泣かない。 俺が赤ちゃんを幸せにするから。 真由、ありがとう…。 赤ちゃんを抱いているお母さんがそっと歩み寄る。 「この子の名前は決まってる?」 「はい」 俺は赤ちゃんを見つめて呼ぶ。 「斗真」 爽やかな風にふと俺は振り返る。 どこかで真由のありがとうと言う声が聞こえた気がしたー…。