「そういえば、貴方名前なんていうの?」


女の子の名前教えてもらってなかった気がする。


「私?私は…桜川沙希。」


「可愛い名前だね、私の事は奈央って呼んでね」


呼び捨てなんて無理だろう。


そう思っていたけれど。


「うん、奈央って呼ぶね。じゃあ私のことは沙希って呼んでね」


やったー!

もしかしてこれって親友になるんじゃない!?

「奈央…、私たち親友だよね…?」


なぜそんな事を聞くんだろう。

確かめなくても心って通じるんじゃないの?

「うん!」

その返答に沙希はまた最初のときのように冷たい目で見下ろすように見ていたのを知るのはもう少し後のこと。