【紗南SIDE】

今まで行った病院には、いつも精神障害の患者はと断られる。

そんな事には慣れていた。

だから、今回も同じだろうと思っていた。

なのに、個性という、ポジティブに考えられる言葉を聞いて…。

なぜか知らないけど、涙が溢れた。

黎人「泣きたいときは、泣いていいんだよ。我慢なんてする必要なんて、ないんだから。」

優しい言葉にさっきから溢れている涙がさらにでてきた。

何年ぶりに泣いただろうか?

人前で泣くのが怖くなった…いや、泣けなくなったのは…?


多分、精神障害の事をあからさまに言われるようになってからだろう…。